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親権~親権者はどのように決まるのか~

親権~親権者はどのように決まるのか~

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1 親権とは

1-1 親権

親権とは,未成年の子どもを監護養育するとともに,その財産を管理維持する権利及び義務をいいます。監護権と財産管理権が主な内容となります。
婚姻期間中は,父親・母親双方が親権者となり,共同して親権を行使しなければなりません(民法818条3項)。
しかし,離婚する場合には,一方を親権者と定め,その親権者が単独で親権を行使することになります。

 

1-2 監護権

監護権の内容としては,主に以下のものがあります。
①子どもが身分法上の行為(民法737条,775条,787条,804条)を行うにあたって,親権者が同意したり,代理人となることができます。
②子どもの住むところを指定する権利があります(居住指定権,民法821条)
③子どものしつけを行う権利があります(懲戒権,民法822条)
④子どもが何らかの職業に就く場合にそれを許可する権利があります(職業許可権,民法823条)

 

1-3 財産管理権

財産管理権の内容としては,主に以下のものがあります。
①子どもの財産を管理する権利があります。
②子ども名義の契約を締結する場合に同意が必要になります(民法5条)

 

2 親権者の判断基準

離婚する際には,父親・母親のどちらか一方を親権者と定める必要があります。父親・母親の協議で決まれば特に問題は生じません。
しかし,子どもに対する愛情から,父親・母親双方が親権を取得したい意向がある場合には,協議では親権者が決まりません。
この場合,家庭裁判所に調停を申し立てることになります。その際,親権者を決める判断基準としては,以下のようなものがあります。

 

2-1 子どもの意思尊重

15歳以上の子どもについては,親権者を決める際に,子どもの意見を聞かなければならないことになっています(家事事件手続法152条2項)。
また,実務上,小学校高学年の年齢(10歳~12歳以上)にある場合には,子どもの意見を聞き,判断する際の参考にされています。

 

2-2 これまでの監護実績

婚姻期間中に子どもの監護を主にしていたものが,子どもの親権者になるべきであるという考え方です。監護の継続性維持の原則と呼ばれています。
背景には,子どもの生活環境は,できるだけ変わらない方が望ましいということがあり,実務上はこの点が重視される傾向にあります。

 

2-3 監護能力・監護環境

精神的・身体的・経済的な面から,子どもをきちんと監護できる能力が備わっているかということで,親権者は,生活のために働くことが多いですが,特に小さなお子様の場合,働いている間に誰かが監護をする必要があります。そのため,そのような人の存在(通常は親族です)が必要になるため,親族等の援助(監護補助者の存在,経済的援助)が得られるかどうかも判断要素になる場合があります。

 

2-4 兄弟姉妹不分離

子どもに兄弟姉妹がいる場合,裁判所は,別々に親権者を定めない傾向にあります。これは,兄弟姉妹は,精神面や情緒面のつながりが強く,分離することで子どもの精神面に影響が及ぶ心配があるからです。
しかし,個別事情によりますので,必ず兄弟姉妹が同じ親権者になるわけではありません。

3 親権者の変更

法律上は,一度決めた親権者を変更する手段も用意されています。
親権者,非親権者の話し合いで,親権者を変更することにつき同意があった場合,家庭裁判所に,親権者変更の調停を申し立てる必要があります。同意があったとしても,この調停を経ずに親権者を変更することはできません。
これは,場合によっては,親権者を変更することが子どもの幸せにならない場合もあり(従来の非親権者が貧困である,暴力をする等),家庭裁判所が,親権者を変更する事情等を聴取し,親権者を変更することが子どもの幸せになるかどうかにつき配慮する必要があるからです。
親権者を変更することにつき,争いがある場合にも,家庭裁判所に,親権者変更の調停・審判を申し立てることになります。この場合には,上記判断基準・要素から,親権者を変更すべきかどうか判断がされます。ただし,特別の事情がない限り,親権者の監護を継続している点が重視され,親権者の変更が認められることはありません。

4 親権Q&A

Q1 離婚については話し合いがまとまっていますが,親権については,双方とも取得したいという意向の場合,
とりあえず離婚をして,後から親権者を定めることはできますか?

A1 離婚をする際には,必ず親権者を定めなければなりません。そのため,このような場合,調停でも親権者が決まらなければ,離婚訴訟の中で,親権者を決めることになります。

 

Q2 親権者は,母親になることが多いと聞きますが,父親でも親権者になることはできますか?

A2 父親が親権者になることもあります。
親権者を定める際に重要な要素として,監護実績というものがあります。日本では,父親が働き,母親が育児をすることが多いことから,母親の監護実績が大きいため,結果的に母親と定められることが多いのです。
また,乳幼児は,母親に監護養育させることが望ましいことから,母親の方が優先される傾向にはあります。

 

Q3 一度決めた親権者を変更することはできますか。

A3 一度決めた親権者も変更することは可能です。
ただし,父親・母親の話しだけで変更することはできず,親権者を変更する場合には,家庭裁判所に親権者変更の調停を申し立てる必要があります。

 

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